ユナテリSS




 テリーが怪我をした。
 オレを、庇って……。
 目の前が真っ暗になるって、こういうことを言うんだなぁって少しだけ思った。




「テリー…」

 包帯が巻かれている腹部が痛々しい。

(ごめん…ごめんな…?)

 自分が油断したせいで。
 ユナの瞳から涙が零れる。
 ポタポタとシーツを濡らすソレは、誰から見ても痛々しかった。
 二人きりにしてあげよう、と他のメンバーは居ない。
 だから泣けたというのもある。

(テリー…早く起きてくれよ…テリーッ…)

 その時。
 小さく声が聞こえた。

「!!!?」

 聞き間違いかと耳をテリーの口元に寄せる。

「…ュ、ナ…?」

「テリー!?」

 ほっとしたせいか体の力が一気に抜ける。
 薄っすらと開かれた瞳。
 もう、大丈夫だ…!

「お、オレっ…皆に教えてくる…!」

 立ちあがり行こうとしたユナの手を、テリーの手は掴んだ。

「……テ、リー…?」

 まるで、ここに居ろ、と言われているようで。
 ユナは動けなくなった。




(夢か…)

 混沌とした意識の中、テリーは夢を見ていた。
 そう、ユナが死ぬ夢だ。

(不吉だ)

 寧ろ自分の方が死に掛けているとは思わない。
 モンスターの攻撃からユナを守れたときに気を失ったのは、安堵からだった。
 守れたという、安堵。
 そんな時、耳に柔らかく響いたのは確かにユナの声だった。
 無理矢理意識を覚醒させてみれば泣いてるし、どうなってるんだ一体?

(何、泣いてんだよ…)

 自分が死ぬかもしれないという時に泣いてくれる存在は何処かくすぐったい。
 本当に、コイツが死ななくて良かった……。




「んっ…!」

 重ねられる唇。
 怪我のせいで熱の在るテリーの舌は熱く、
 また何時もより乱雑に口内を貪った。
 唾液が端から漏れてテリーの頬を伝う。

(こ、こんな感じなのか…)

 普段なら自分が上になるなんてことはないので、テリーの頬
 を唾液が伝う様を始めて見た。
 同時に普段の自分の様も想像する。

(ぅっわー…)

 想像だけで真っ赤になるユナを放っておいて、テリーは服を脱がせにかかった。
 が、慌てて制止するユナ。

「だ、駄目だよっ!テリー怪我してんだぞ!?」

 そうは言っても、実際はユナもテリーと繋がりたかった。
 繋がって、本当に生きていると実感したかった。
 ――コクッ、と唾液を飲み下し喉が上下する。

「き、…今日、は…オレがするから…さ…」

 一瞬だけ驚いたように目を見開いたテリーに視線を合わせないように。
 包帯の巻かれている上半身には触れずにズボンもベルトを外す。
 金具と金具の触れる音が室内に響くだけで肩がビクリと震え。

(き、緊張する…!)

 自分の動作が全て見られている。
 ファスナーを降ろすと、恐る恐るズボンと下着を下ろし始めた。
 まだあまり勃ち上がってないテリーのペニスが目の前に。
 これが自分の中に何度も入ったのかと思うと赤黒いソレに愛しさが込み上げる。

 試しに――チロリと先端の割れ目に舌を這わせてみた。
 裏に通っている筋が跳ねるように反応したのが解る。
 正直に反応を返してくれたのが嬉しかったのか、再び割れ目を舐める。
 尿道に舌を割り込ませるようにしてグリグリと押し潰したり
 筒のように舌を丸くして吸ってみたり。
 じんわりと滲んできた精液の味にほんの少しだけ顔を顰めるも
 それが愛しい男のものだと思うと不味くなかった。
 先端を嬲っていたおかげか、テリーのペニスはもう完璧に勃起していた。
 ユナは陰茎の裏側を根元から先端までツーと舌先で擦った。
 益々硬く天を仰ぐペニス。
 ふと、ユナは自分の下半身がどうなっているか気になった。
 そろり、そろり、と服を掻き分け陰毛の奥に在る孔を目指す。
 指先に触れた、湿った感触に逆にもの凄く驚いてしまった。

 ――まさか、自分が舐めてるだけで濡れてしまうなんて。

 どんな愛撫をされても濡れなかった時期もあったのに。
 無理矢理陵辱され開かされた体はテリーにだけ反応するのだ。

(ホンット、オレって…)

 まるで、テリーだけ愛している証のような気がして。
 思わず苦笑。

「ユナ…?」

 その笑みを不審がったのか、テリーが声を掛けて来た。

「何でもない」

 腹は包帯が巻いてあるので手を着けない。
 ユナは仕方なくテリーの腰骨の辺りに手を置くと
 怒張したペニスを跨ぐような体勢になった。
 ゆっくりと、服を脱ぐ。
 何かあったときに見えたら厭なので上着だけは脱がなかったが、下半身は裸。
 息を吐いて腰を下ろすと、すぐ膣の入り口に陰茎の先が当たる。
 さっきまで舐め遊んでいたものだ。

「ぁ、ンぁっ…あぁ…」

 何時もと違う角度で入って来るそれに、思わず声が漏れる。
 テリーは顔を歪ませると体勢の上下を入れ替えようとした。

「!だ、駄目だよっ!怪我してるんだから…今日、はオレがやるから…」

 これ以上無いってくらいに恥ずかしい。
 渋々とだが再び大人しくなったテリーにニコ、と微笑みつつも
 ペニスを奥へ奥へと誘い入れた。

(き、きつ…っ)

 指で解してないわりには順調に陰茎を飲みこんで行く其処だが
 矢張りきついものはきつい。
 汗が頬を伝うが最奥まで到達したときの快感で理性は
 ほんの一欠けらも残っていなかった。

「テ、テリーっ…うご、いた、ら…っァアン!!」

 我慢が出来なかったのか、テリーが下から突き上げ始める。
 傷口が開いたらどうするんだと言いたいがうまく口が廻らない。

「ひぁッ、ソ、コやぁぁぁっ…」

 奥へ奥へ。
 入出するペニスは容赦無くクリトリスを擦る。
 中の膨らみまでも擦られて自分はどうにかなってしまうのではと心配になった。

「ユ、ナ…っ、ユナ…!」

 テリーの、自分を呼ぶ声がする。
 テリーは確かに生きている――だってこんなにも温かい。
 自分の中に入っている熱は偽者なんかじゃない。

「テリー…テ、リッ、ン…ふぁあっ!!!!」

 そう思ったら今までよりも強く膣は陰茎を締め上げていた。

 テリーのペニスからは精液が吐き出され、ユナの膣内を濡らす。

 まるで膣の奥の奥まで犯されているように、強い強い排泄。

 一滴でも零すまいとユナの膣は収縮した。




「生きててくれて良かった…」


 ポツリと言った言葉は、相手の心にしっかりと響いた。