恋占い



「ミレーユさんって、占い出来る?」
「少しは、出来るかな?」

 オレがそう聞くとミレーユさんは、タロットを取り出した。

「じゃあ、今日のバーバラはどうでしょう?」

 ミレーユさんは、微笑みながらタロットを取り出した。
そして、それを慣れた手つきで並べていって……
二枚を、表にした。

「えっと、今日バーバラには素敵な事が沢山起こるそうよ」
「素敵な事?」
「ええ、何かしらね?」

 そして……町に入った。

「おめでとうございます!一等の魔封じの杖です!」
「おめでとうございます!あなたは、1000名目のお客様です!」

 バーバラの荷物は増えていき、遂に、

「ごめんね、ウィル。重くない?」
「大丈夫だよ。にしても、バーバラ凄いね」
「うん!今日凄いんだ!」

 それを見ていた二人。

「あら、当たったわ」

 ミレーユは嬉しそうに笑った。ユナは、そんなミレーユに頼んだ。

「ミレーユさん!オレに……占い教えて!」
「ユナちゃんがするの?」

 ユナは、こくんと頷いた。
その、真剣な眼差しからミレーユは気がついた。
(テリーの事かしら?)
しかし、あえてそれは言わなかった。

「いいわよ。まず……」

 ユナは、それを全身全霊をかけて覚えた。
そして、早速やってみた。

「えっと……」

 タロットを並べて、二枚めくる。
そんな簡単な占い。
しかし、簡単だからこそ難しいとミレーユさんは言っていた。
それを、オレに出来るかどうかはあんまり考えたくないけど……。
そして、ユナはテリーの事を考えた。テリーに好かれるにはどうすればいいのか。
占いになんか、頼ったらダメなのかもしれない。
でも、参考程度なら……

「えいっ!」

 ユナは、カードを二枚めくった。
そこにでたのは、女帝の正位置のカードと運命の輪の正位置。

「……えーっと」

 女帝は、<女性らしさ>で、運命の輪は<運命>で、よかったはず。
つまり、
(女らしくしろって事か……!)
そう、なのかな?
ユナはさっきの、ミレーユの占いを思い出した。

「よし……!やって見るか!」
「じゃあ、今日は情報を集めるために三つに別れようか」

 と、いうことでくじをひくと

「あっれー?テリーとユナ一緒だ」

 バーバラが冷やかす。

「ひ、冷やかす事ないだろっ!」

 ユナは、内心(バレバレだが)ドキドキしていた。
女らしく。頑張れ!オレ…ワタシかな?

「じゃあ、五時ぐらいに」

 そして、しばらくは二人で情報を集めて回った。

ユナは、昨日ハッサンに女らしさについて教わっていた。
聞く人脈がおかしいかな?と、思ったが何も気にしなさそうなのがハッサンしかいない。
ハッサンに教わった事によると、どうも、男をたてるっていうのが重要らしい。
まず、それを実践していた。
テリーは、ユナの変化に若干気がついていた。
ユナが、今日やけにおとなしい。
が、特にそれ以上思うことはなかった。

「ユナ、……何か食べるけど、何がいい?」
「え、オ……ワ、ワタシは何でもいいよ」

 危なかった。オレって言うところだった……
ユナは、ほっと溜め息をつく。
が、テリーは

「……?」

 ユナの変化についていけなくなった。
おかしい。……何があったんだ……?
そんな、テリーの心配をよそにユナはいつもどうりに笑っていた。
ユナが、何でもいいと言うからテリーは近くにあった喫茶店に入った。

「えっと、スパゲッティにするね」
「……ああ」

 ユナは、ハッサンに教えてもらったことその二、「行儀よく」を実践しようとした。
ガツガツ食べたり、飲んだらダメだよな!
と、いうわけで。

「……」

 あれ?
ユナは、どう行儀良くするのかが、イマイチわからなかった。
……スパゲッティは、スプーンの上でクルクルまわしてたよな。ミレーユさんが!
それで、実践してみたのだがうまくできない。難しいな……。

「ユナ」
「ん?何?」
「……いや、今日どうしたんだ」

「……えっ!?」

 ……ウソ、もう効果が?女らしくって、いいのか?

「と、特に。いつもどうりだよ!」
「……そうか」

 こいつに、何の心境の変化が?
テリーはさっぱりわからなくなっていた。そして、

「ユナ遅い!」
「あ、ゴメン……」
「まだ、四時五十分だが……」

 集合場所についた。

「まあ、バーバラ。で、どうだった?」
「……別に、何もなかったよ!」

 ユナが答えた。

「あれ?ユナ……しゃべり方が変じゃない?」
「え?いつもどうりだよ?」
「うっそだー!絶対おかしいもん、ねぇ、ウィル?」
「……そうか……な?」

 ミレーユは、このやりとりを見て、笑っていた。
ミレーユは、ユナの占いの結果を知っていた。
なぜなら、タロットが残っていたからだ。
そして、ミレーユはそのタロットでユナを占ってみた。
そしたら……

「姉さん……」
「あら?どうしたの、テリー」

 宿について、ミレーユが一人になったことを確認してテリーはミレーユに話しかけた。

「ユナなんだけど、何かあったのか?」

 ミレーユは、弟のその言葉に少し喜んだ。
あら、ちゃんとユナちゃんのこと見てるのね。

「ええ、あったわ」
「……何があったんだ」

 ミレーユは微笑んで言った。

「占い」
「……はぁ?占いって、また……」

 なぜあいつ、占いなんかしたんだ?

「……私がやった結果と、ユナちゃんがやった結果は違ってたけどね」
「……」
「テリー、嫌なんでしょ?ユナちゃんが変になって」
「!?……誰があいつなんか」
「そう?でも、嫌だったら言ったほうがいいわ」
「……」

 今日は、女らしくできたかな?
……でも、なんか……おかしな感じしたな……。
ユナは、部屋のベッドに座ってそんなことを考えていた。
----そのとき、
扉がノックされた。

「はーい」

 ユナが扉を開けると、

「……!」

 テリーがいた。

「ど、どうしたんだ?」
「……一つ、誰に何を言われたかは知らないが、今日のお前変だったぞ」

 ユナは、瞳をパチパチさせた。

「似合ってもなかったし」

 グサ。
ユナの心にその言葉が刺さった。
に、似合ってない?

「それに、」

 う、まだ言われるのか?
テリーは、背中を向けた。

「……お前らしくもない」
「……!テ、テリーはオレがいつもどうりのほうが、いいのか!?」
「……」

 その、質問にテリーが答える事はなかった。

「……そうか、やっぱり」

 占いは、頼りすぎもダメなんだ!
ユナは、テリーを追いかけた。
そうだよな、オレらしく……な!

「……なるほど、ユナが聞いてきたのにはそういうわけが」
「テリーも、素直じゃないわね」
「で、ミレーユが占ったらなんてでたんだ?」
「塔の逆位置と、運命の輪の正位置よ」
「どういう意味だ?」

 意味は、現状を壊さないでいれば運命に導かれる……
だけど、それはハッサンには教えなかった。
ミレーユは笑ってタロットを見た。
(あの二人はこれからどうなるのかしら?)

            fin.



>>藤咲愛瑠さんからリクエストさせて頂きました!!!
すいませ・・・!!愛瑠さんの文でテリーとユナがどんな風に書かれるのか
ものすごく拝見したかったので 図々しくもリクエストさせて頂きました・・・っ!!!
テリーが格好良すぎて悶えた・・・っ(*´Д`)(*´Д`)!!!
二人で喫茶店に入る姿とか妄想したら ニヤニヤ止まりませんでした・・・っ!!!
女の子らしくしようとするユナ萌え過ぎる!!!スパゲティに四苦八苦してる姿とか
想像したらそれだけで一日妄想出来そうです(*´Д`)!!
なにげに主バっぽい描写も出てきて嬉しかったです^^!!

リクエスト聞いて下さって有り難うございました^^!!!!萌えが滾る・・・!!!!!