▼事件...


 レイドックへ連れてこられて5日目の朝。
テリーはカーテンを開いて朝日がのぼる様を見ていた。

もうここへ来て5日だ。あいつは一体いつ帰ってくるんだ。

バーバラが帰ってくるまでここに居てくれ。
と引き留めるウィルをユナが断れるはずもなく。ズルズルとここ、レイドック城離れの
客室に住み着いてしまっている。

まぁ・・・ただでこんな良い宿に泊まれるのは有り難いが・・・
いつもと同じように自分の隣で眠るユナに目をやった。
肌触りの良いシルク製のシーツだからなのだろうか、ユナの寝顔は本当に気持ちよさそうに見える。

と、ゆっくりユナの瞳が開いた。

「ん・・・テリー・・・」

「・・・?起きたか?」

「ん・・・ふぁ・・・おはよ・・・」

 寝ぼけ眼で上半身を起こす。夜中行為をしてそのまま眠ってしまったせいか一切何も
纏わないまま背伸びをする。

「・・・・・・っ!」

 その事に気付いて、ユナは慌てて下着を身につけた。おかげか、すっかり目が覚めたらしい。
スッキリした瞳で、窓の外を見つめるテリーに尋ねる。

「・・・?何見てるんだ?」

 テリーはユナの質問に答えず

「ここに連れてこられてもう5日だな。世界中色んな場所に行くつもりが、足止めされて
そろそろ飽きたんじゃないか?」

 そんな質問を返す。ユナは笑って首を振った。

「飽きるわけないよ!オレは・・・その・・・テリーと一緒に居る事が一番楽しいんだし、
それに旅はいつでも出来るしさ」

「・・・・・・」

 本当に素直な台詞。自分の胸の内を何のためらいもなく見せてくれるユナは
テリーに最高の安心感を与えてくれる。

「・・・そうだな・・・」

 ユナに釣られるようニコと笑って、アンダーシャツと青い服を着込んだ。

「散歩、行かないか?」

「・・・?」

「早朝のレイドックはまだ見た事無い世界だろ?」

「・・・っ!うん!」

 慌ててユナも服を着込むと、差し出された手を取った。





 レイドック城の裏門に有る庭園。
離れから程なく歩いたそこは、アートのように美しい花や草木で彩られていた。
朝露が光に反射してキラキラ光って昼とは違う顔を見せてくれる。

庭園を綺麗に見渡せる場所に設置されたベンチに座って
二人は静かで厳かな雰囲気を感じていた。

だが、心の中は晴れやかでは無い。
ユナに至っては半分ぐらい世界が曇っているように感じる。
その事の発端となったのは・・・

同じ離れにあるミレーユの客室から、ハッサンが出てきたせいだった。

それを目撃してからというもの、テリーの機嫌がみるみる悪くなってしまって
ついには一言も言葉を発さなくなってしまった。

はぁ・・・。
ほんの数十分前の胸躍る気持ちを思い返してしまい
ユナからうっかりため息が零れる。
あの時ハッサンに会ってなかったら、もっと楽しい時間を過ごせていたんだろうか?

「テリー・・・」

 重い沈黙に耐えかねて、ユナは言葉を発した。

「あのさ・・・いつまでもミレーユさんを縛っとくのも、どうかと思うぜ・・・。
もう・・・子供じゃないんだし」

「・・・・・・」

 テリーは険しい表情を崩さなかった。

「ハッサンとミレーユさん、ここに来た時から良い雰囲気だったよな?
もしかしたら、やっぱり恋人同士なのかも・・・」

「バカな」

 ようやくテリーは言葉を発してくれるが、相変わらず険しい顔。

「だって・・・」

 ユナは言葉を続けようとして口ごもった。先ほどミレーユさんの部屋から出てきたハッサンを
思えば、二人の間に何があったのかなんて容易に想像出来る。
だがしかし、それはテリーにとってとんでもなく禁句のような気がした。

「その・・・仮に、仮にな?ハッサンと恋人同士だったとして、弟に認めてもらえないのは
姉さん的に悲しいんじゃないか?」

「・・・・・・」

 テリーは顔をうつむかせて首を振った。

「分からないくせに、説教面するなよ」

「・・・・・・っ」

「お前にオレと姉さんの何が分かるって言うんだ!」

 自分に向けて声を荒げるテリーは久々で。

1年前なら、慣れていた言動だったが
再会してからのテリーは優しくて、キスしてくれて、抱き締めてくれて、心配してくれて
そんな日が続いた為、この言葉は以外にも深く心に突き刺さった。

「・・・悪い・・・」

 固まっているユナを見て、テリーは我に返った。
冷静になろうと試みて、深く息を吐く。

「・・・自分でもよく分からない・・・。ハッサンの事は・・・なんとなく気付いては居たんだ、
気付いていて、突っかからなかった。心の何処かで、あいつと姉さんの事を認めていたんだと
思ってた・・・だが・・・」

 背中を丸めて右手で顔を覆う。

「あいつが姉さんの部屋から出てきて・・・。あいつが昨日姉さんをって考えるだけで
腹の中が煮えくりかえりそうなんだ・・・」

 指の間から鋭い眼光を持ったアメジスト。その眼光は間違い無く嫉妬の光だった。

「・・・テリ・・・あの・・・」

「悪い。一人にしてくれないか」

 ユナの言葉を振り払ってベンチから立ち上がる。
どうしようもない不安に駆られたユナは、もう一度テリーを引き留めた。

「もしかして・・・ミレーユさんの事・・・好きなのか・・・?」

 制止を振り切って行こうとする彼を引き留めるにはこんな言葉しかない。
バカな
とか
何を言ってる
とか
そんな相変わらずの台詞を期待していたのに。帰って来た言葉は

「分からない-------」

 滅多に聞かない、苦しそうに呟く声。

「う、嘘だろ・・・テリー・・・。だって、ミレーユさんとテリーは姉弟なんだし・・・
それに・・それにテリーは・・・」

 オレの事、愛してる って言ってくれたじゃないか
最後の訴えは、今のユナにはまだ言えない---------

「っテリー!」

 テリーはユナの言葉を待たず そのまま早足でその場から消えていった。

「テリー・・・」

 こんな時に、昔彼から拒絶された日々を思いだしてしまった。
抱きしめてくれて、キスしてくれて
それは全部同情だった なんて---------
癒えたと思った傷は幻覚のようにユナの胸をいつまでも締め付けていた。




 傷心のユナは重い足取りで帰路についた。
目が腫れていないか鏡で確かめようとして、左腕に黒い痣のようなものが有る事に気付く。

「…なんだコレ…」

 少しだが魔力を感じる。
魔力…?呪いでも掛けられたのか?と思うが、ここ数日魔物と交戦は無く
思い当たる節もない。

スっと、不安が過ぎっていった。
その不安は頭の中にずっとある不安だった。

密かにウィルに相談すると、ウィルはすぐに高名な宮廷学者を紹介してくれた。

「ほうほう、これは…」

 図書室の奥にある一室でウィルと学者が覗き込む。
分厚い眼鏡を掛けたり外したりしながらしばらく痣を見つめて

「なんでしょうなぁ…」

 二人の熱い視線をうけながらマイペースな答え。
心からガックリする二人をよそに、うんうん唸りながら本棚の方へ歩き出した。

 大きな棚にずらりと並んだ本を取り出してはパラパラとめくり、取り出してはめくり・・・
と繰り返した後、

「魔術の類では無いと思いますが…魔族の文字でも悪魔の契約文字でも無いですし…
見た事も無い形状ですなあ」

 自信無さそうに答える。
どうやら呪いではなさそうなので、少し安心した。

「もう一度もっと良く調べておきます」

「お願いします!」

 ぺこりと頭を下げて部屋に戻っていく。
痣を確かめる。
微かに魔力を感じるか、邪悪な物じゃない。
ユナはなるべく考えないようにした。





 雨がだんだんと酷くなる。
日も暮れて、暗い雲と雨で真っ暗になっていく世界。
客室の窓から世界が変わる様をじっと見つめる
変わる世界はなんだか自分の心の中のように思えて、ユナは首を振った。
気分を変えるために客室を出て広間に向かう。
客室専用に作られた離れは、ユナたち以外は誰も利用していないのか
シンと静まりかえっていた。
テリーはまだ帰ってくる気配は無い。

外へ通じる扉を開くと、冷たい風が吹き込んできた。
雨は激しさを増して止む気配は無い、ユナは備え付けられた傘を開いて
もう一本別の傘を手に持つと テリーを探すために雨の中を駆けた。

道行く人に行方を尋ねると、目立つ容姿のおかげがすぐに見つける事が出来た。
教会の裏にある墓地で雨の中佇んでいる。
しめった暗い空気が好きなのかテリーはいつも墓地に居る気がして、ユナの心が
少しだけ傷んだ。

「・・・何のようだ?」

 気配に気付いたのかテリーの方から振り向かずに声をかけた。
突然声をかけられたユナは一瞬言葉を忘れる。

「あっ・・・の・・・・・・・・・・・・もうすぐ夕食の時間だぜ?雨も冷たくなってきたしさ
早く帰らないと風邪ひくよ」

 遠慮がちにテリーに駆け寄って手に持っていた傘を差し出す。
だがテリーは受け取らず何も答えなかった。
ザアアアアという激しい雨音だけが聞こえる。

「・・・・・・たいって・・・言っただろ・・・」

「・・・え?」

 ようやく聞こえた声を邪魔する雨音。ユナは、一歩テリーに近付くと

「一人になりたいって言っただろ!!」

「--------っ!」

 再会してからそうやって怒鳴られるのは初めてで、思わず後ずさった。
敵意すら含んでいるようなアメジストの瞳。
自分のその考えを否定したくて、ユナは喉から言葉を押し出した。

「テ・・・リー・・・でも・・・ここに居たら体に悪いし・・・一緒に城に戻ろ・・・」

 勇気を振り絞って差し出した手が何の未練もなく振り払われる。

「お前と一緒に戻る気は無い・・・頼むから一人にしてくれ」

 拒絶するように背を向ける。

「テリー・・・やっぱり、ミレーユさんの事・・・」

「うるさい・・・放っておいてくれって言ってるだろ!」

「で、でも・・・」

「オレにまとわりつくな!」

「・・・・・・・・・っ!」

「ご、ごめ・・・。じゃあオレ、先に戻ってるね・・・」

 ほんの数時間前まえ一番近くに居たはずのテリーが、今は酷く遠くに感じた。
以前と同じような冷たいオーラを感じて、ユナは手を引っ込めた。
テリーはそれを感じて、離れるように歩き出す。

降り注ぐ冷たい雨。ユナは追いかける事すら出来ず ただその場に立ち尽くすしかなかった。




 朝と同じ、いやそれ以上の苦しみを抱えてユナは一人城に戻った。
広間は相変わらずシンと静まりかえっている。

「誰も居ないのか・・・」

 寂しさに耐えかねてユナは一人呟くと

「つっ・・・・・・!」

 左腕の黒い痣が突然痛烈な痛みを発した。
だがそれは一瞬の出来事で、痣は何事も無かったかのようにユナの腕に張り付いていた。

「なんなんだよこの痣・・・」

 その痣は何故か人の顔のように見えて、不安だけがますます募ってしまっていた。




 テリーはその夜、レイドックの客室に戻らなかった。
自分の事で手一杯でユナの事を考える事すら出来ない。
1日経って頭が随分冷えたのか、テリーは意を決してある場所に足を運んだ。

「ようこそ、占いの館へ・・・って・・・」

「・・・・・・」

 分厚い帳を掻き分けて入ってきたのは見慣れた弟の姿。
弟-----テリーはなんとなくバツの悪そうな顔で目の前のイスに腰掛ける。

「どうしたの?わざわざ行列に並んでまでここへ来るなんて・・・何か占って欲しい事
でもあるの?」

 先日のハッサンの件は知っていたが、努めていつも通りミレーユは振る舞った。

「姉さんに・・・聞きたい事があって・・・」

 姉の話に乗る事もなく、たんたんとテリーは切り出した。

「・・・・・・ハッサンの事だ。あいつと姉さんは・・・恋人同士なのか・・・?」

 ミレーユは水晶玉をテーブルの端に置いて、しっかりとテリーを見つめて頷いた。

「・・・ハッサンは素晴らしい人よ・・・。私に無いものを沢山持っていて
私に無いものを沢山与えてくれる。とても純粋でとても優しい人--------」

「・・・・・・でも、あんな奴に姉さんが・・・・・・っ」

「私が・・・なに・・・?」

 エメラルドの美しい瞳。ブロンドの豊かな髪と豊満な体。
なにより壊れそうなほど繊細な美しい顔の造り。
こんな自慢の姉が、あんな男に抱かれていると思うだけで
はらわたが煮えくりかえりそうなほど悔しい-------

「私が、ハッサンに抱かれるのがイヤ?」

「--------っ!」

 自分の胸中を見透かしたかのような言葉。エメラルドの瞳は射貫くよう
言葉を投げかけた。

「それじゃあ、テリー・・・。
ハッサンに抱かれるくらいならオレが抱いてやるって・・・そういう事を思ってるの?」

「なっ・・・!まさか・・・!」

 まさかそんな事思うはずがない。姉さんにそんな事出来るはずがない。
それだけは霧が掛かった心の中でもハッキリと分かる。

「そう・・・思わないわよね。私も・・・テリーは好きだけど、そんな事は思わないし
思えない。きっとあなたが感じてるのはそれと同じ感情」

「・・・・・・」

 ミレーユの言葉はキリが掛かった自分の心をみるみる照らしていく。
ようやくテリーは周りを見渡す余裕が出来た。

「ユナちゃんの時はどうだったの?抱きたいって思ったんでしょう?もし他の男に
寝取られたら、奪ってでも取り返してやるって、それぐらい激しい気持ちだって
持てる自信あるでしょう?」

「・・・・・・」

 答えは勿論イエスだ。
至極明快にミレーユの言葉は自分の中に入ってくる。

「・・・・・・」

 キリが晴れていく間、ユナの事ばかりが思い出されてきた。
久々に、あいつに辛辣な言葉を浴びせた。手を差しのばすあいつを拒絶した。
もう二度と悲しませないと心に誓ったのに。それすら考えられなかった自分に腹が立つ。

「なんかユナちゃんの様子がおかしいと思ったら・・・こんな事でケンカしたのね」

 ミレーユはため息をついた。

「あのね・・・テリー・・・自分勝手に振る舞うのはいい加減もう止めにしたら?
今も昔も、ユナちゃんはあなたに振り回されても付いてきて、拒絶してもあなたをずっと
好きでいてくれたと思う。あなたの言う事ならなんだって聞いてくれる子だけど・・・」

「・・・・・・・・・」

「ダークドレアムと対峙して願いを叶えて貰うぐらい、大切な、大切な存在なんでしょ?
だったらこんな小さな事で彼女を傷付けないで。大切に思うなら、思う分だけ大切に
してあげて-------」

「・・・・・・・・・」

「そうしないと、本当に、誰かに寝取られちゃうかもしれないわよ」

 あいつの顔が思い出される。

「あなたみたいにひねくれた子を、あそこまで好きになってくれる子なんてどこ探しても
居ないわ。ちゃんと捕まえておかなきゃダメじゃない
ユナちゃんの心が離れて、一番後悔するのはあなたでしょ?」

 もっとも…ユナちゃんの心が離れる事なんて無いとは思うけど と心の中で
ミレーユは付け足す。

「姉さん…でもあいつがオレの事を許してくれるかどうか…」

 でも、と言って眉をひそめる仕草が子供の頃のテリーそのままで
思わずミレーユはふふっと声を出して笑った。

「何言ってるの。許してくれるか、くれないかなんて、あなたが一番良く分かってるクセに」

 おどけて、ミレーユはテリーの額にデコピンをした。
子供の頃、いたずらしたテリーを諫めるために良くやった優しい罰。

テリーも思いだしたのか、ふっと笑うと頷いて、早足で部屋を出て行った。


あいつを少しでも早く抱きしめる為に。




 占いの館から城に戻る途中、テリーはずっとユナの事を考えていた。

オレはあいつに安息を感じてる。
それはあいつが
オレの事を決して裏切らないから 拒絶する術を持っていないから
心の何処かでそう確信してるから。

好き勝手に振る舞っても 好きな時にあいつを抱いても
あいつの気持ちなんて考える事すらしらなくても-------
ユナって言う場所は無くなる事は無い。
振り向けば必ずいつだってあいつはオレの側に居るんだ。

それがオレにとっての心からの安息。

「・・・・・・」

 だがオレはあいつに安息なんて与えた事があっただろうか・・・。

「・・・・・・考えるまでも無い・・・」

 テリーは呆れたように嘲笑した。
好き勝手振る舞うオレに、誰が安息を感じられると言うのだろう。

そんな事を考えながら歩いていると、ちょうど大きな道具屋の看板が目に入った。
テリーは思い立って道具屋に足を踏み入れる。
テリーの目当ての物は入ってすぐに見つかった。

 羊皮紙製の世界地図-------
紙に比べて少々値が張るが、物持ちが良いしなにより破れない。
テリーが持っていたものはさすがに10年使われたせいか地名が擦れ
地図の意味を成して居なかったので捨ててしまったのだ。

テリーは目の前の地図を広げた。羊皮紙独特の香りが鼻につくが気になるほどじゃない。
新しい世界地図はテリーの持っていた物と違い、町の名前や洞窟、遺跡が事細かに
記されていた。線や字が鮮明に書かれていた事も好感が持てた。

『世界中を旅して、色んな景色や色んな人、色んな物が見たいな・・・』

 あいつの言葉が思い出されて顔が綻んだ。
これを見せれば、少しは罪滅ぼしになるだろうか。
テリーは少し値が張る世界地図を丸めて、悩むことなくカウンターへ足を運んだ。




「くそっ・・・どこに行ったんだあいつ・・・!」

 それから数刻------ テリーはレイドックの城下町を彷徨い歩いていた。
部屋に居ると決めつけてが 中はからっぽで 人の気配も無かった。
焦る気持ちがテリーを駆り立てる。
城内、城下町含め、あいつの行きそうな場所は全て見て回ったが見あたらない。

「こんな時に・・・」

 昨日と同じ、空は今にも泣き出しそうな黒い雲。テリーの足は自然と走り出していた。
ユナを拒絶したあの雨の日の事が蘇る。あの瞳も、あの声も。

もう二度とあんな冷たい思いはさせたくないのに、
だが無情にも空からは冷たい、大粒の雨が降ってきていた。

「---------っ」

 立ち止まって、振り返ったテリーに悪寒とも取れる寒気が走る。
その寒気の源は、以前にも感じた事のある気配。

そう、これは思い出したくもない

「まさか・・・これは・・・」

 言葉にする事すら恐ろしい。

「馬鹿な・・・!」

 嫌な気配と未だ見つからないユナが重なってしまう。
真偽を確かめる為に、テリーは気配を感じる方へ向かって一気に駆けた。




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