● 傷跡1 ●

 



「なぁ、テリー。どうして急に連れて行ってくれるって言ったんだ?」

 地図を見ながら次の町を目指している中、前を歩いているテリーに問う。
あれだけ自分と一緒に旅する事を拒んだテリーの態度が、急に一変したことに疑問を抱いていたのだ。
まるで別人の様に変わってしまったから

「まぁ・・・オレは連れてってくれて、凄く嬉しかったんだけどさ」

 ニコニコと微笑みながら、隣まで来て歩調を合わせる。

「連れて行ってくれないなら、後ろからついてってやろうと思ってたけど」

「後ろから不気味についてこられるより、一緒にいた方がマシかもな」

 見ていた地図を鞄に押し込め、プイっとそっぽを向く。
彼の皮肉も今のユナには本当に嬉しくて新鮮な物に感じた。
一年ぶりのやり取りに、思わず笑みが込み上げてくる。

「何だ?急に笑い出して・・・」

「え・・・?ア・・・アハハ、いや、何でも無いんだ」

 不審そうにしながらも再び歩き始めるテリーに置いて行かれないように付いていく。
隣を歩いていると、本当に昔が思い出されてくる。
本当に、本当に隣を歩いてもいいんだよな・・・
これから、一緒にいてもいいんだよな・・・
胸が、ドキドキと高鳴ってくる。そして、これからの旅に思いを馳せるのだった。



モンストルの南に位置する港へは、地図で確認したよりも結構距離があった。
何とか夜までには着けると思っていたのだが、テリーのまだ完全に戻っていない体力と
ユナの旅離れもあってか少々時間がかかってしまった。
仕方なく近くの林にとどまり、野宿の準備をする。
今のユナにとっては野宿さえも楽しい出来事の一つだった。
上機嫌で簡易食を頬張るユナを、先ほどと同じように不審な目で見る。

「お前、本当にどうしたんだ?簡易食、嫌いじゃなかったのか?」

「え?そうだったっけ?いや、何だか野宿なんて久し振りじゃないか。だから何もかもが楽しくってさ」

 それに・・・テリーだっているし・・・。
心の中でそう呟く。
食べ終わった所で手元に置いていた枯れ木の枝を火の弱まっていたたき火の中に放る。
火の赤い光がいっそう強くなり、二人の顔を映しだした所で不意にユナが呟いた。

「そう言えばテリーはこれからどうするんだ?前みたいに最強の剣を求めて旅するのか?」

「・・・ああ、他に目的も無いしな・・・」

「・・・そっか・・・」

 その言葉を聞くと、テリーは木にもたれ掛かって目を伏せる。
その隣にはいつもの様に雷鳴の剣が置いてある。
再び、ユナが問いかけた。

「あのさ、一年前、オレ天界へ帰ったろ?それから今まで何してたんだ?」

 すっと片目だけでユナを見て、目を伏せる。

「いや、あれから何処にも帰らないで世界を回ってた」

 静かに帰ってきた答えに、ハァっと息をついた。
手慣れた野宿に手慣れた見張り。

「テリーらしいと言えばテリーらしいけどさ。たまにはゆっくりしたらどうだよ?
旅しっぱなしで、気が滅入っちゃわないか?」

「一つの所にとどまるより、誰かと過ごすより、一人で過ごす時間の方が長かったからな
旅をしていた方が気が休まる」

 テリーの言い様に、胸が痛んだ。
自分なんかじゃ彼の渇いた心を癒すことが出来ないって分かっていても、少しでもいいから
自分をよりどころにして欲しいと、彼を助けたいと思った。
同じように木に寄りかかって、俯いて目を伏せる。

昔、イミルと一緒にテリーの心の中へ入った事を思いだしていた。

あの時、真っ暗な心の中にミレーユさんって言う光があった。

・・・今の彼の心の中には誰がいるんだろう、どうなってるんだろう。
やっぱりまだミレーユさんがいて、ずっと心の中を照らしてるのかな・・・

それとも・・・

一緒に連れて行ってくれると言ってくれた時に
テリーから不意にされたキスを思い出した。

唇を指で確かめる。

オレがいるのかな・・・・・・。



 野宿を無事終えた二人は再び港へ向けて出発した。
モンストル大陸を出て、世界の情報の発信源、サンマリーノへ向かうのが目的だった。
何とか山を越えると、水面に反射した光が瞼を刺した。
うっすら目を開けると、眼下に広がるのはどこまでも続いていそうな海と
行き来している船に人々、活気に満ちあふれている港町だった。

「うわぁーっ、何か前に来た時と全然ちがうなぁ」

 道行く人々を掻き分けながら、船の出入りするドックへと向かう。
前にウィルたちとここに来た時は行き来する船も少なくって、全然活気も無かったんだけど・・・

「この分だとサンマリーノ行きの船もすぐに出ていそうだな」

「ああ・・・・・・」

 ・・・・・・っ!!

入港してきた船から、屈強の戦士が出てくるのに目を奪われてしまった。
立派な鎧に大きな体。そんな戦士が二人も。

テリーもユナと同じように、その戦士に目を奪われていた。

港町に似つかわしくない出で立ちで船から降りる。と先を歩いていた戦士の一人が
驚いたような顔でこちらに近付いてきた。
戦士は笑顔で手を振ってくると、二人して顔を見合わせてしまった。
そう言えば・・・どこかで会ったような・・・

「これはこれは・・・テリー殿ではないですか!?いやはや、奇遇ですな!」

「お前は・・・アークボルトの兵士長の・・・?」

 兵士長ブラストは、親しみを込めて会釈する。

「ブラスト兵士長!どうしたんですか急に・・・知り合いでも居たんですか?」

 もう一人の戦士が息を切らしながら追いついてきた。
金髪の髪にその声・・・やっぱりどこかで・・・
男はユナを見つけるとやはり同じように懐かしそうな顔で目を輝かせた。

「ああっ!あんた!あの時の可愛い女剣士さんじゃないか!どうしたんだこんな所で・・・!」

 ブラストもやっとユナに気付く。

「おおっ!貴方は確かユナ殿!いや、はや!奇遇ですなー!・・・・・・でもどうしてテリー殿と一緒に
居るんですか?」

 その問いに、内心ドキリとしてしまった。隠す必要なんて無いのだが、何となく言い辛い。

「いや、その、色々あって・・・それよりブラストさんたちは何でこんな所にいるんですか?」

 上手くはぐらかす。ブラストは懐から何か白い手紙のような物を取り出した。

「魔王が倒れて国々が鎖国状態を解き放ったでしょう?世界中の町や村が条約を結んで
より住みやすい国にと奮闘中なのです。我がアークボルトも今までは他の国々とも余り
親交は無かったのですが、先の世界会議で平和協定が決定してですな。近辺の町や村と
親交を深めるために、大事な書類や手紙を持って出向いている最中なのですよ」

 差し出された手紙には、確かにアークボルトの紋章と王のサインが記してある。
言い終わって大事そうに手紙を懐にしまい込むと、ガルシアが待ちかねたように

「なぁなぁ、二人は何だ?やっぱりつき合ってたりするのか?」

「・・・・・・!」

 安心していたユナに、まさかの不意打ち。向こうは構わず話を続ける。

「そんなに否定しなくても良いじゃないか?ねぇ、兵士長?」

 何でブラストさんにまで話を振るんだよ・・・。
ブラストも何故か首をうんうんと頷かせて

「・・・テリー殿が探していた人はユナさんの事だったんですね。大きな剣を手にしている
少女・・・と。取りあえず北に行けば手がかりくらいは見つかるかも、と言って
危険を冒し、魔物と戦ってまで・・・」

「・・・・・・え・・・?」

「・・・兵士長・・・」

 テリーの心中に気付いたのか慌てて言葉を止める。
不審そうにテリーに問いかけようとした時に、いい具合にガルシアが割って入った。

「所でさ、二人とも今、何やってるんだ?その格好から言ってまだ旅を続けてるのか?」

「ああ、最強の剣を探して・・・旅している」

「最強の剣・・・?ってお前相変わらずだな!まだ強くなりたいのか?」

 何も答えないテリーに更に言い返そうとするとブラストが止めた。
強さを求める理由が、この歳になると見えてくる。決して失いたくない物がある歳になると・・・。

「そう言えば・・・船の中で、腕利きの剣職人だって自負してる男が居たな」

 思い出したようにガルシアに問う。

「はい?あ・・・ああ、そう言えば居ましたね。ガンディーノから来たって言ってた奴でしょ?
自分でそんな事言う奴に限って蓋を開けてみれば大した腕じゃないんですよねーっ!!」

 ガンディーノ・・・?
記憶が疼く。体の傷も、心の傷も・・・。

「・・・どうかしたのか?ユナちゃん」

 心配してくれたガルシアの優しい言葉。それに答えると気を取り直して尋ねる。

「で・・・その男は何処にいるんだ?もう町に入っちゃったのかな・・・」

「いや、さっきそこの船員の集まる酒場に入っていったぜ」

「良く覚えてるな、お前」

「ものすげえいい女連れてやがったからずっと見てたんだよ。目立つから回りの奴らも
噂しててよ」

 指した先には、ディフォルメした船の描かれてある看板が立てかかった酒場だった。

4人はその酒場に入ってみる。
船旅から帰った漁師やこれから出かける船員、旅行客などで
酒場はごったがえしていた。

「ああ、あいつだよ」

 ずっと奥にあるテーブルを指さした。そこには男が一人、コチラに背を向けて座っていた。

「連れの綺麗なネーチャンは席を外してるみたいだな・・・オレ、探して来ようかな・・・」

 テリーはガルシアの言葉を待たずに酒場の客やバニーガールを押しのけて
奥のテーブルへ向かう。ユナも慌てて付いていった。
後ろまで来てその男の体格の良さに気付いた。これなら腕利きの剣職人と言うのも
まんざらではなさそうだ。

期待に胸を膨らませユナは問いかける、

「あの、スイマセン・・・お聞きしたい事があるんですけど・・・」

「・・・・・・あん・・・?」

 ドクンッ。

・・・・・・・・・全身の血が凍ったような感覚に陥った。
瞳に焼き付いたその顔が、昔の映像を瞬間的に映し出す。
心拍数が激しくなる、ドクン、ドクン、ドクンと。
ユナの異変に気付いたテリーが声を掛けようとすると、パッと背中を向けられた。

「ゴメン・・・オレ、ちょっと気分が悪くなったから・・・どこかの宿とって休んでるね・・・!」

 早口でそうまくし立てられると、言い終わるか終わらないうちに大急ぎで酒場から出ていった。

どうしたんだ、アイツ・・・。

不審に心の中で呟くと、その男はうわずった唇で声を発した。

「しばらく見ない内に、もの凄く綺麗になってるな、ユナ」

「・・・・・・・・・!!」

 こいつ・・・ユナを知っているのか!?
まじまじとそいつの顔をのぞき込むと、歳は24、5くらいの面持ち。
力仕事でもしているのか結構しっかりした体つきに、整った顔立ちをしている男だった。

「もう何年も会ってないのに、あの瞳は何年経っても変わってないな、神秘的で・・・。
一目みてユナだって気付いたぜ」

男は更に笑ってグラスを口に傾けた。

「お前、ユナの男なんだろ?羨ましいねぇ、金も払わずにあいつを抱けるって
わけだ。得してるな、あんた」

「・・・・・・・・・!!」

『ガンディーノから来た』

 こいつ・・・昔のユナを知ってる・・・!?
怒りが込み上げてくる。こいつは・・・

「ユナは直感的に分かったんだな。オレが初めての相手だってことが。
あの時の恐怖が頭から離れないってワケか」

 男はテリーに構わずしゃべり続ける。
それがテリーの怒りに触れると分かっているにもかかわらず、
更に彼を逆上させる言葉を何度も発した。

「・・・・・・・・・ろ・・・」

「イイ声で泣く女だぜぇ」

「うせろ!!」

 その声とともに、テリーはその男を力の限り殴った。
男は椅子から投げ出され、後ろのテーブルや椅子が音をたてて崩れていく。
それとともに女や男の悲鳴も

「テリー君!!」

 カウンターで飲んでいたガルシアとブラストが何事かと言う顔をして
逆上して何をやるか分からないテリーを押さえつけた。
剣を抜いていたテリーにもう理性はなかった。

「放せ!!あいつを殺す・・・!!」

 本当に、もしこの場にガルシアとブラストが居なかったら男は
大怪我・・・危うく命すら落としていたかもしれない。

「・・・純情な兄ちゃんだな・・・でも、ユナは違うぜ・・・あいつは何百人もの男と寝た。
皆あいつの虜になっていっちまったのさ・・・。
あいつは男をその足下に跪かせ、金を吸い取る悪魔だ・・・」

テリーを一瞥した後、意味深な笑いを残す。
ヨロヨロと立ち上がって、酒場から出ていった。

「何百人もの男と寝た・・・?どういうことですか・・・?」

 テリーはガルシアとブラストには何も答えずに早足で酒場を出ていった。




「ユナ!」

 ドアを開けた向こうに少女は居た。コチラに背を向けて、荷物の整理をしている。

「何処の宿で休むかくらい言っていけ。探しただろ」

 案外いつもと変わらない笑顔で頭を掻きながら振り向いた。

「ゴ・・・ゴメンゴメン。慌ててたもんだからさ・・・」

 無理に明るく振る舞っている。
ハァと息をついた後、まっすぐに瞳を見据えて

「あの男から、お前の事を聞いた・・・」

 急に顔を強張らせるユナに、今度は視線を外す。

「そ、そうか・・・」

 気まずい空気が流れる。口には出せないそれぞれの思惑。
耐え難い沈黙を破ったのは男の方だった。

「・・・ギンドロにいた時の事なんて・・・忘れろ・・・」

 ポンといつものように肩に手を掛ける。が相手はいつもの反応では無かった。
ぐっと派を食いしばって自分で自分を抱き締める。

「オレだって忘れたいよ・・・!けど・・・・・・!」

 天空城で記憶を解き放った時から、恐怖は消える事は無かった。
今でも、たまにあの日の事を夢に見る。

それほど、幼心に深い傷を負った。

「震えが、止まらないんだ・・・」

 体に跡がが残りそうな程に力強く自分自身を押さえつけるが、
体の底から沸き上がってくる恐怖に、震えが止まらなかった。

「情けない話、今だって怖くてたまらない・・・頭にも体にも焼き付いてて・・・
ハハハ・・・何とかならねーのかな・・・」

 掻きむしるように肩を力の限りまさぐる。

そんなユナを見て、心の中である感情が芽生えてきていた。
一つは人間の生活の中で養われてきた人を気遣う感情。
そしてもう一つは人間が生まれてきた時から持っている感情・・・。

「・・・・・・」

 不安げなユナの両肩に手を掛けて、こちらに向かせる。

「・・・テリー・・・?」

 いつもと違うアメジストの瞳。
近い距離で見つめられて、体温が上昇しているのが分かる。

「・・・何・・・?」

「オレが・・・」

 ・・・・・・?

「オレが忘れさせてやる・・・そんな思い出・・・」

「・・・え・・・?」

持っていた肩に力を入れてベッドへと押し倒した。
その後、両手を細い両腕に移動させる。強いチカラで押さえつけた。

余りに信じがたい行動に、驚く暇さえもなかった。

「・・・・・・・・・!!」

 問いかけようとした口を口で塞がれる。
いったん唇を外された後、今度は深く口づけられた。

「・・・・・・・・・っ!!」

 初めて体験する愛しい人の深いキスに、為すがまま言いなりになってしまっていた。
思考が鈍って、目の前がだんだんぼやけてきて、もう全てがどうでもよくなってしまうような
自分を虜にしてしまう深いキス。

「・・・ん・・・っ・・・」

 少しだけ唇が離れるが再び塞がれる。
ベッドに押し倒してキスをしたまま、片手でユナのマントをずり下げていった。

「・・・・・・っ!!」

 思いも寄らない行動に、停止していた思考が動き出す。

「・・・っ・・・お・・・おいっ、何・・・・・・っ!!」

 整っている唇は、顎を通って首筋に、肩に、辿っていく。

「や・・・やめ・・・っ」

 首筋の銀髪がくすぐったい。本気なテリーに、何故か恐怖してしまった。

「やめろよ!!バカ!!!」

 そのユナの叫びにやっと我に返った。
野獣と化していた自分に驚いていた。こんな事やるつもりは無かったはずなのに・・・。

「・・・・・・ゴ・・・ゴメン・・・オレ・・・!」

思考もままならないまま、慌てて彼から背を向けて、シーツにくるまってしまった。

「・・・・・・・すっ・・・すまないっ!・・・どうか、していた・・・」

 それだけを言い残して、逃げるようにテリーはその場を去った。

バタン。

テリーが出ていったのを感じると、もっと深くシーツに潜り込む。

ドクン、ドクン、ドクン

心臓は未だかつてない程早く脈打っていて、体は湯気が出そうなくらい熱い。
腰が抜けてしまっているのか体に力が入らない。

やっと右手を自分の胸へと当てた。

「・・・ビ・・・ビックリしたぁ・・・・・・っ!」

 まさか・・・テリーがオレにあんな事するなんて・・・・・・
もう既に先ほどの恐怖は消えていて、テリーとの事が頭の中を支配していた。
唇に指を当て、深いキスが幻で無かったのを知るとますます体が熱くなった。
その指を唇から顎、首筋、肩・・・と、テリーの唇と同じように辿っていく。

自分自身を抱き締めた。そして、そこでやっと自分が震えていることを知った。

「・・・・・・テリーでも・・・ダメなのか・・・」

 テリーになら許せると思ったのに・・・抱いて欲しかったのに・・・
頭とは裏腹に、体が異性を拒絶している。
震える体に、昔の蘇る恐怖・・・。

ギンドロで刻まれた異性に対しての恐怖は、そう易々と消えるものではなかったから。
例えそれが、心から愛しているヒトであっても・・・・・・




酒場でテリーは荒れていた。
飲み物を思い切り喉に流し込む。
ガンと乱暴にカウンターに置いて、手で瞳を覆う。

あんな事、するつもり無かったのに・・・

ハァ・・・と息をつく。手をカウンターに戻して顔をうつむかせる。

傷ついていた彼女に、慰めるどころか追い打ちをかけてしまった自分が、心底嫌になった。
あんな時ですら欲情してしまう自分が。

『やめろよ!バカ!!』

 恐怖に怯えるユナの瞳が頭から離れない。
それと同時にユナの美しい肌の感触も、暖かい体温も
あれからずっと体にまとわりついて、欲望を駆り立てている。
必死にその嫌な感情を押さえつけ、再び水割りを飲んだ。

「・・・くそっ・・・!」

これじゃオレは、ギンドロの男共と何も変わらないじゃないか・・・!







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