● 白と黒の翼 ●
「お、おはようっ!」 宿の部屋から出て、食堂へ向かう途中の廊下で、ばったり会ってしまった。 なるべく、普段通りに挨拶をする。 「ああ・・・」 向こうはただそれだけを言ってさっさと食堂へ行ってしまった。 慌ててユナも食堂に行く、昨日の気まずさを忘れるために、普段なら 彼の隣で食事はしないのだが珍しくトレイを彼の隣に置いて、椅子に座る。 「な、なぁ、朝一番の船に乗ってサンマリーノに行くんだよな」 「・・・ああ」 面倒くさそうに返答する。 「船かぁ・・・久々だなぁ・・・」 「下らない事を喋っていないでさっさと食べたらどうだ? 船は待っちゃくれないんだぞ」 そう一括すると、それから無言で食べ始める。 昨日の事が気になって、彼の反応を見るために喋りかけていたのだが ますます気まずくなる。 ユナは、ハァと息をついて味も良く分からないままパンキレを喉に流し込んだ。 それから二人はサンマリーノ行きの船に乗り込んだ。 途中、元魔王の島にある港を中継して、サンマリーノへと入港するらしい、天候や風の影響も あるらしいが早くて2週間、遅くても3週間で着くと聞かされた。 旅人である二人はそんなにお金も持ち合わせていないため、第三等客室へと通される。 個室ではなく大勢で雑魚寝出来る大部屋だ。 その部屋の隅に二人は腰を落ち着ける。 「2、3週間だってさ・・・相変わらず船旅は辛いよなぁ・・・」 「ああ」 「テリーこれからどうする?」 「甲板に出てくる」 ユナが言い終わるか終わらない内にそれだけを言い残すとさっさと出ていった。 慌ててユナも着いていく。 船の廊下を歩いて、階段を上り甲板へと出る。 朝の強い日差しが照りつけて影をくっきりと映し出した。 真っ青な晴天、穏やかな波。この天候が続けば予定通りにサンマリーノへ着くだろう。 波を眺めながら、隣のテリーに問いかけた。 「サンマリーノに行ったら何する?」 「まずは酒場で情報収集だ」 お互い距離を取って話す。潮風が短い髪をすり抜けていく。 「サンマリーノって言えばさ、ハッサンの実家もあるぜ。あっ、あとビビアンも居るじゃないか」 懐かしそうに顔を緩める。 「ああ、そうだな」 「ずーっと行ってないよなぁサンマリーノ・・・テリーは最近行ったのか?」 くるっと横を向くと、声を掛けた人物は既にいなかった。 後ろを振り向くと、もう船の中に入っていっている。 「・・・・・・ちぇ・・・」 それからの船旅は、二人はほとんど別行動だった。 食事をするにしても、眠るにしても、テリーはユナに寄りつきもしない。 ユナが話しに行っても面倒くさそうにしたり、冷たくあしらわれたり、酷いときには相手すらもしてくれなかった。 そんな訳で昼間やることの無い時は、甲板でぼーっと海を眺める時間が多くなった。 いつも船旅は退屈だったけど・・・スラリンが居たから遊び相手には困らなかったのに・・・。 肩に乗っていた親友の事を思い出しながら、ユナはため息をついてしまっていた。 モンストル港町での一件以来。テリーとの間に気まずさが絶え間なく襲ってきていた。 テリーが冷たい理由もやっぱりそれが原因なのだろうか・・・。 ザックに求められて、それに応じたオレの事に呆れてもう嫌になったとか・・・ それとも、拒んだオレに愛想が尽きたとか・・・。 考えれば考えるほどテリーがオレを避ける理由が思い浮かんでくる。 こう何もやることがないと、余計な事ばかりを考えて・・・。 ブンブンと頭を振った。 穏やかな天候が続いたため、予定通りサンマリーノに到着する事が出来た。 予定通りとは言っても2週間も船旅をさせられて、気分が悪い。 地面に降り立つ感覚を久し振りに感じる。 船は本当に嫌だった。暇な上に気分もそんなに良くはない。 「おい、何してる」 やっと船から降りて感覚を取り戻すためその辺を歩き回っていると 声を掛けられた。2、3日振りにテリーに会った気がして 「待っててくれたんだ」 嬉しそうに微笑む。プイっといつものようにそっぽを向いた後 「さっさと街に入るぞ。船の客が流れてくる前にな」 ドックから出てもう何度も行ったサンマリーノへ足を踏み入れた。 港からすぐ隣にあるのはサンマリーノ西街。 ここに到着したのが夜だという事もあり、キラキラと街の明かりが迎えてくれた。 モンストルの港町の活気にも驚いたが、さすが世界最大級の街サンマリーノは それと比較にならない。夜だというのに街は更に活気づき、行商の物売りや 観光客でいっぱいだった。 西街を出て、サンマリーノ南街に足を運ぶ。 南は西に比べると人通りも少ない。サンマリーノの民家が立ち並ぶ普通の街だ。 いきつけの宿に入り、テリーはさっさと宿をとる。 ユナを待とうともしない彼を目で追いながら慌てて宿をとった。 部屋に入るとバタッとベッドに倒れ込む。 もう夜も遅い。今酒場に行けば賑わっていそうだが辛い船旅の後にあんな人の 多いところに行けば余計気分が悪くなりそうだし・・・。 それに・・・。 部屋に荷物を置いて、廊下に出た。 パタンとドアを閉めてもたれ掛かる。 モンストル港町でのテリーとの出来事を思い出した。 あれ以来テリーの態度が冷たい。 冷たいのはいつものことだけど、いつも以上に避けられてる。 船旅では目も合わせてくれなかったし・・・会話らしい会話もしていない。 ヘナヘナと廊下に座り込む。 「・・・やっぱり嫌われちゃったのかな・・・」 部屋に入って荷物を置いた後、酒場に行こうかどうか迷った。 船旅で疲れたせいもあるが、サンマリーノの人々がごった返す夜の酒場に行く気もしなかった。 サンマリーノの酒場は昼でも賑わっている。 今日はもう眠ろうと防具を外し、上着を脱ぐ。 アンダーシャツになった所でベッドへとその身を預けた。 コンコン。 その音にハッとして上半身を起こす。仕方なくドアを開けると・・・案の定ユナだった。 「何のようだ?」 半分だけドアを開ける。向こうは言いにくそうにしながら 「話があるんだ・・・いいかな・・・?」 少し考えてしぶしぶドアを全部開いて、ベッドへ座った。 ユナもドアを閉めて、三本足の質素な椅子に座る。 「もう夜も遅い。さっさと話せ」 相変わらず冷たくあしらう。めげずに無理な笑顔で返した。 「あのさっ、これからどうするんだ?明日酒場で情報集めた後、すぐに別の大陸に行くのか?」 不審そうな瞳で見つめられる。 「時と場合によるだろ」 「そ・・・そっか・・・そ、そうだよな・・・」 言葉が詰まってしまった。テリーの言う通り。時と場合による。 頭を掻いて次の言葉を探した。 「言いたいことはそれだけか?」 「いやっ・・・あのさ・・・色々寄り道でもしてもいいんじゃないかな・・・とか思って。 サンマリーノ地方には色んな所があるじゃないか。グランマーズの館とか、ダーマの神殿後とか・・・ あと・・・」 少し口ごもって 「初めて会った湖とか・・・」 ボソっと聞こえるか聞こえない程度に呟いた。 「初めてか・・・」 テリーも同じように呟く。 ハァっと息をついて瞳を伏せた。 「まさか・・・あの時はお前と今でも一緒に居るなんて想像も出来なかったな・・・」 「・・・うん。それはオレも思うよ」 まさか、興味本位で後を付けてただけの男の事をこんなに好きになって・・・ 今でも一緒に居るなんて・・・ 「あの時・・・同じ船に乗り合わせてなかったら・・・テリーがオレに声をかけて くれなかったら・・・オレ、今頃何してたんだろう」 「さぁな、何処かで野たれ死んでるかもな」 「なっ・・・ひでぇ!!そっちこそ!!魔物にやられて骨になってたかもしれないじゃないか」 「オレはそんなヘマはしない」 「オレだってそんなヘマしないよ!」 久々にテリーと言い合えて、皮肉を言われても何を言われても顔が緩む自分が居る。 そして先ほどの会話を考えて、昔の思い出が過ぎった。 グランマーズに見せられた本当の未来と・・・ オレなんかより女の子らしそうで・・・可愛くて・・・おしとやかそうな・・・ あの、テリーの恋人・・・ 「どうした?」 表情を曇らせていく彼女に思わず声をかける。 「テリーは・・・」 「・・・・・・?」 「テリーは今・・・幸せなのか?」 「・・・・・・?」 「オレと居て・・・幸せか?」 俯いて、テリーの顔、見られなかった。 向こうも無言で、動こうともしないで。 気まずい空気の中、時計の病身だけがやけに室内に響いている。 「・・・幸せじゃなかったら、お前と一緒に居る理由が分からないだろ」 「・・・・・・・・・!?」 弾かれたように顔をあげてしまう。目に飛び込んできたテリーの顔は フイを突かれて驚いたような顔で、だがすぐにいつもの何を考えているか 分からない表情に戻る。 先ほどの言葉をすぐに頭の中で再生させる。 幸せじゃなかったら一緒に居る理由が分からない・・・って・・・ じゃあ、テリーはオレと一緒に居て幸せなのか? 「なぁ、テリー、オレと一緒にいて・・・」 「もう話すことはない、さっさと部屋に戻れ」 喋っている途中で無理矢理言葉を遮られる。 「ちょっと待てよ!オレの話をきい・・・」 「その話は!」 久々に声を荒げるテリーに驚いて目を丸くしてしまった。 「その話は明日ゆっくり聞く・・・だから、頼むから部屋に戻ってくれ・・・」 いつもの彼女なら、ここで仕方なく部屋に戻るだろう。だけど ここで戻ってはいつもの繰り返し。今日こそは彼の本音を聞くつもりだった。 「・・・いやだ・・・今日は、今日こそはテリーの本当の気持ち聞かせてよ」 「・・・・・・」 「オレは・・・テリーの事・・・凄く好きだよ・・・!」 思い切り顔を上げて目の前の人物を見る。 「好きで好きでたまらない・・・!」 目が合うと、すっとそらされて背を向けられる。 「・・・お前の話は明日聞くって言ってるだろ」 何とか残っている理性で言葉をすり替える。 ここでもし自分の気持ちを口にすれば、歯止めが効かなくなると確信していた。 悲しそうな彼女の瞳を見ないように、目を伏せる。 自分の中で高ぶる気持ちを必死に押さえ、平静を保っていた。 もう本能のまま彼女を傷つけたくなかった。 「やっぱりモンストルで・・・オレに愛想が尽きたのか・・・?」 それとも嫌いになったのか・・・? この言葉は怖くて言い出せなかった。祈るような気持ちでテリーを見ると、 やっぱりこっちを向いてくれていない。 「もうあの時の事は気にしてない」 「じゃあっ!」 テリーの黒いアンダーシャツをぎゅっと掴んでしまった。 「じゃあ何でオレの事避けるんだよっ!?話しかけたって・・・全然取り合ってくれないじゃないか・・・」 「別に避けてるつもりはない」 義務的に平静を装って答える。その答えに俯いて掴んでいたシャツをするすると離した。 「オレの事・・・やっぱり嫌いになったのか・・・?」 「だから何故そうなる・・・いい加減にしろ」 テリーの冷たい言い様に、思わず強気な言葉が口を突いて出てしまっていた。 「じゃあオレの事・・・好き?」 驚いた瞳にはっと我に返る。 いつもはこんな事、言わないのに・・・。 自分の言った言葉に何だか虚しくなって、恥ずかしくなって情けなくなって、 テリーの言葉も待たずに背を向けた。 「・・・ゴメン・・・変な事聞いて・・・。分かった・・・部屋に戻るよ・・・」 「待てよ!!」 帰ろうとするユナの腕を思い切り掴んでしまう。 「オレは・・・・・・・・・!!」 振り向いて見つめてくるユナに言葉が止まる。 「オレは・・・・・・っ!」 言葉が出てこなかった。どうしてもオレは・・・ 「テリー・・・」 「・・・・・・・・・」 言葉無しに強くユナを抱き締めた。 「テリー・・・・・・」 テリーの気持ちが分からなくても、オレの事想ってくれてるのか分からなくても これだけは分かった。 テリーの腕の暖かさが、本当に自分にとって大切で心地の良い物だと・・・・・・。 言葉なんていらなくても・・・テリーがオレにこうしてくれている現実の方が 急に大切に思えてきて、彼への愛しさが襲ってくる。 その愛しさが、ユナに初めて女である欲望を突き動かした。 「・・・いて欲しい・・・」 頼りない声が聞こえてくる。 「抱いて欲しい・・・テリーに・・・」 「・・・・・・・・・っ!!」 抱いて欲しい・・・初めて使う言葉に、驚いているのはテリーだけではなかった。 どうしてこんな事言ってるか分からない。 だけど言葉が止まらず、想いと一緒に溢れてくる。 「自分の体が汚れてるの分かってる・・・・・・けどっ!」 首の皮一枚で残っているほんのわずかな理性で、ユナを引き離した。 「お前・・・自分が何言ってるか分かってるのか・・・?」 涙目のまま首を縦に振った。 「抱いて欲しくてたまらない・・・!抱き締められるだけじゃ・・・全然足りないんだ・・・!」 「・・・・・・・・・!」 その言葉を聞いて、ほんの一握りの理性が吹き飛んだ。 ベッドに彼女を押し倒し、強引に口付ける。 「・・・今さらダメだと言っても・・・もう遅いからな・・・」 クールな普段からは考えられない台詞と行動に、ドクンと胸が高鳴る。 「テリー・・・ゴメン・・・ありがとう・・・」 言いかけて強くキスされた。先ほどよりもかなり激しい。 「・・・・・・っ」 恥ずかしげにマントを脱いで、バックルを外した。ドクンドクンと心臓は高鳴っている。 我慢できなくなったのかテリーはユナが服を脱いでいる途中で三度目のキスを深く求めてきた。 「・・・テ・・・テリー・・・まだ・・・」 キスをしたまま服を全てはだけさせ、さらしもバラバラに淫らにほどけていく。 「あ・・・あんまり見ないでくれよ・・・恥ずかしいじゃないか・・・っ!」 初めて見る彼女の姿に、思わず見惚れてしまっていた。 サラシで押さえつけているせいで気付かなかった、案外、豊満な胸。 きゅっとしまった腰に形の良いお尻。 白い肌が月の光に照らされて輝いている。 天空人だからと言う理由もなきにしもあらずなのかもしれない。 テリーはこんなに美しい女の裸体を見るのは、本当に初めてだった。 高ぶる胸の内を必死に抑える。 欲望を抑えられないのなら、せめて優しくしてやりたいと思っていたから。 あの時と同じように、唇から顎、首筋、肩と伝わっていく。 この間は驚いて、怖かったけど・・・今は違う。 今は、テリーの事を好きだという気持ちが強すぎて、触れて欲しいと言う女の願望が心の中を支配していた。 「・・・・・・・・・っ!」 気持ちいいとか、そんな感情は二の次だった。 テリーの唇が自分の体に触れていると考えるだけで、 テリーにこんな事されていると考えるだけで、体の奥からどんどんあふれ出してきていた。 十分にユナの気持ちが高ぶったのを確認してから、白い肌に指を這わせていく。 一番敏感な所へテリーの指が行き着くと、ますますあふれ出してくる。 こんな体験はユナ自信初めての事だった。 触れられることがこんなに嬉しいと感じることも、 こんなに想いが溢れだしてくる事も・・・。 「・・・ん・・・くっ・・・・・・」 指を中に滑り込ませ、何年も誰にも侵されていない聖域を生き物のように指が徘徊する。 「あ・・・ん・・・くぅっ・・・!」 指が中を這う度に声を必死に抑える。 「声を出せ、辛いだろ・・・」 「そんな事・・・っ!」 人差し指と中指の腹で敏感な箇所をなぞられる。 ユナの反応を見ながらだんだんと早く動かすと、ビクンとユナの身体がしなった。 「・・・・・・ッ!!」 ドクンドクン 心臓の音と共に、中から急に溢れ出していくのを感じた。 行為の余韻にも浸らせてくれず、刺激を与えていた指をやっと解放すると、 テリーはゆっくりとユナの中に進入した。 「・・・・・・・・・!!」 テリーの存在を一番近くで感じた。久し振りの感覚に、思わず顔を歪める。 それを悟られまいと手を瞳に当てて、ぐっと唇噛み締める。 「・・・痛いか・・・?」 首をブンブンと振って、やっと初めて目を合わせた。 月の光が窓から入ってきて、銀髪を照らしている。 いつも見ていたテリー、冷たくてオレの気持ちなんて何も考えてないって思ってたテリーが こんな風にオレを気遣ってくれて・・・こんなに優しくしてくれるなんて・・・ 「全然大丈夫・・・」 嬉しくて、想いが膨らんできて胸が張り裂けそうだった。 テリーは少し微笑んで、ユナの汗ばんだ前髪を掻き上げてやる。 「ユナ・・・・・・」 ギンドロで毎晩男に抱かれていたとはいえ、彼女の反応は処女そのものだった。 もう何年もそんな感覚から、あの恐怖から遠ざかっていたからだろう。 声を我慢している姿も、痛々しい瞳も、汗ばむ体も、吐息も。 だが男を拒む物が無いのは確かだった、体中にある痛々しい傷跡も、 犯された痕跡もそのまま残っていて・・・・・・。 「ユナ・・・・・・」 もう一度深く呟いた。 「忘れさせてやる・・・オレが・・・」 聞こえるか聞こえないくらいの声で呟き、そっと額にキスをする。 そのままゆっくりと彼女の中をかき乱していく。 耳元で、甘い欲望をくすぐる喘ぎ声が聞こえてきていた。 「あっ・・・あぁっ・・・ん・・・っ!」 初めて感じる気持ちよさに、どんどん思考が鈍っていくのが分かった。 テリーとこんな風になるなんて・・・ 裸でベッドでこんな事する仲になるなんて、思ってもみなかった・・・。 「う・・・ん・・・・・・っ!ふぁっ・・・」 もうどうなってもいい・・・・・・。 翼が黒く染まっても、神の裁きを受けても構わない・・・。 天空人なんて、地上人なんて、そんな事関係ない。 テリーの存在を一番近くで感じる・・・これ以上の幸せは無かった。 テリーも、彼女をの翼を黒く汚していると言う罪悪感を感じながら 高ぶる気持ちと今までにない快感に自分を抑える事なんて出来なかった。 「・・・・・・くっ・・・!」 ユナに覆い被さる形で、テリーはユナを抱き締めたまま 遂に快楽の頂点に達してしまった。 「あ・・・・・・っ!」 一瞬にして自分の中がテリーが満たされていく。 テリーで体の中がいっぱいになって、頭の中も、瞳も、全部・・・・・・ 「・・・テリィ・・・」 ぐるぐると頭の中が回っている。 彼以外目に入らない。二人はずっと見つめ合う。見つめ合ってキスをして、一つになって・・・。 熱く、深く愛を確かめ合った。 とろけそうな気持ちよさの中、ユナはテリーの腕の中で眠りに落ちていった。 |